「ずっと付けていても錆びないアクセサリーが欲しい」「正直お手入れがめんどう…」と考えている方は多いです。結論、錆びないアクセサリーを手に入れるには「素材選び」が重要です。購入後には、素材に合わせたお手入れを行うことで、さらにアクセサリーが錆びずに長く愛用できますよ!
今回はアクセサリーを錆びさせないために、知っておきたいポイントを詳しく解説していきます!
【所有資格】
A・F・T 1級色彩コーディネーター(文部科学省認定 色彩能力検定 1級)
東京商工会議所2級カラーコーディネーター
日本パーソナルカラー協会認定 パーソナルカラーアドバイザー
日本パーソナルカラリスト協会 パーソナルカラー検定®2級
全国カラービジネス協会代表
日本色彩学会正会員
国際カラーデザイン協会 カラーデザインマスター
国際カラーデザイン協会 パーソナルスタイリスト
準パーソナルヘアカラー診断士
【ピアス・ネックレス・リング】アクセサリーが錆びてしまう4つの原因
「錆び」と聞くと、金属が濡れて発生すると思いがちですが、実はアクセサリーが錆びる原因は水分だけではありません。日常生活におけるさまざまなことが、知らないうちに錆びの原因となっていることがほとんどです。
ここでは、アクセサリーが錆びてしまう4つの原因について詳しく解説していきます。
原因1.空気に触れる
金属が空気中の酸素や硫化水素と反応すると、錆びが発生します。そのため金属製のアクセサリーの場合は、使用しているだけでも錆びてしまうと言えます。
とくに湿度が高い場所や湿気の多い季節は、水と酸素が反応して、アクセサリーがより錆びやすくなるため要注意です!
使用中の酸化を防ぐことは難しいですが、湿気の少ない場所や保存袋に入れて適切に保管することで、アクセサリーの錆びを防ぐことができますよ。
原因2.汗や皮脂
皮脂や汗には酸性の成分が含まれています。この酸性成分とアクセサリーの金属部分が反応すると、錆びや変色を引き起こします。そのため、汗や皮脂の汚れが付いたままアクセサリーを保管をすると、あっという間に錆びてしまいます。
アクセサリーを使用したあとは、汗や皮脂を拭き取ってから保管しましょう。
柔らかい布やアクセサリー用のクロスで優しく拭き取ることがポイントです。
原因3.香水や化粧品が付着する
香水や化粧品に含まれる成分がアクセサリーの金属部分と反応して、錆びが発生することがあります。
そのため、アクセサリーが触れる場所には香水を付けない工夫や、メイクをした手でアクセサリーを触らないように工夫しましょう。
アクセサリーを外したあとは、化粧品や香水に触れた部分を丁寧に拭き取ることも大切です。
原因4.海水に浸かる
海水の塩分がアクセサリーの金属部分と反応すると、金属が劣化して錆びが発生します。錆びないようにするには、できる限り海でアクセサリーをつけることは避けましょう。
もしアクセサリーを付けたまま海水に浸かってしまった場合は、アクセサリーを外してから、真水でよく洗って塩分を完全に洗い流してくださいね。そのあとはタオルなどでしっかりと水分を拭き取って充分に乾かすことが大切です。
【補足】安価=”錆びやすい”わけじゃない
アクセサリーが錆びるかどうかは、素材や使用方法によって決まります。高級でも錆びるアクセサリーはありますし、逆に安価でも錆びにくいアクセサリーもあります。
アクセサリーを選ぶ際には価格ではなく、素材や品質などを考慮して選び、適切なお手入れ方法を身につけることが大切です。
水に濡れても錆びにくい素材・錆びやすい素材【ピアス・ネックレス・リング】
前述したように、アクセサリーが錆びる原因はさまざまですが、そもそもアクセサリーに使用される金属には、錆びにくい金属と錆びやすい金属があります。
アクセサリーを選ぶときは、錆びにくい素材が使用されているアイテムを選ぶのがおすすめですが、中には金属アレルギーを発症しやすい素材も含まれているため、注意が必要です。
ここでは、それぞれの素材についての特徴を、「錆びにくい素材」と「錆びやすい素材」に分けて、具体的に紹介していきます。
錆びにくい素材
チタン
チタンは、金属の中でも軽量でありながら、強度が高い素材です。そのため、航空機などの高性能な製品や、医療器具にも使われていて、信頼性が高く評価されています。
チタンを使用したアクセサリーは、繊細な加工が難しいことからシンプルなデザインが多く、カジュアルなファッションに合わせやすいことが特徴です。
軽量で着け心地も良いため、長時間つけていてもストレスを感じません♪
SV925
SV925とは、銀を92.5%含む合金のことを指します。一般的には「シルバー」と呼ばれていて、主にアクセサリーによく使用されています。
SV925は比較的柔らかく、細かな装飾や彫刻を施しやすい素材です。そのため、女性らしい華奢なデザインから、ゴツめのデザインまで幅広く表現できて、デザイン性の高いアクセサリーが多いことが特徴です。
錆びやすいイメージのシルバーですが、実はシルバー自体は錆びない素材です。シルバーに付着した黒ずみは錆びではなく、硫化という現象によるもの。SV925のアクセサリーは必ず硫化するため、輝きを保つためにはお手入れが必要です!
黒ずみが気になるという方は、チタンや316Lを選ぶのがおすすめです。
18K
18Kは、金を75%含む合金のことで、高級ジュエリーにも使用されている素材です。
18Kのアクセサリーは、金の輝きが美しく高級感があり、ピンクゴールドやイエローゴールドなどさまざまな色があります。
ただし、18Kは柔らかい素材なので、硬度の高い素材に比べると傷がつきやすいという欠点があります。
そのため、日常使いよりも、お出かけスタイルに合わせた繊細なデザインが多いことが特徴です。
サージカルステンレス(316L)
サージカルステンレスは、医療器具にも使用されるほど高い耐久性を誇る金属で、リーズナブルな価格で手に入るため、最近では金属アレルギーを起こさないアクセサリーの素材としても注目を集めています。
サージカルステンレスのアクセサリーは耐食性が高く、海水や温泉でも錆びや変色が発生しにくいことから、長く愛用できることが魅力です。
ただし、素材が硬いために加工が難しく、シンプルなデザインがほとんど。日常使いするアクセサリーにぴったりな素材です。
パラジウム
パラジウムは、プラチナのような銀白色の美しい光沢がありながら、プラチナよりも硬度が高く、変色しにくい素材で、歯科治療に使用される銀歯にも含まれています。
アクセサリーの場合は、プラチナやゴールドに混ぜて硬さを出すために割金として使用されることが多く、パラジウム単体でアクセサリーに使用されることはほとんどありません。
また、パラジウムは金属アレルギーを引き起こす可能性があるため、アクセサリーとして肌に長時間触れる場合には注意が必要です。
ニッケル
ニッケルは比較的安価で加工もしやすいことから、プラチナ・ゴールド・シルバーの割金にも使用されるなど、多くのアクセサリーに使われています。
ただしニッケルは、金属アレルギーの原因のトップにあげられるほど、金属アレルギーを発症しやすい素材です。ニッケルが水に濡れた場合、錆びにくいですが、金属イオンが溶け出してアレルギー反応を引き起こしてしまう可能性があるため、身に着ける場合は注意しましょう。
錆びやすい素材
銅(どう)
銅は、金属の中でも柔らかく加工しやすいため、アクセサリーにも使われている素材です。ゴールドと銅を混ぜるとピンクゴールドができるように、柔らかな色合いが魅力的です。
銅は錆びやすいため、空気中の酸素や湿気と反応すると、青色緑の錆びが発生します。そのため、銅をアクセサリーに使用する場合は、メッキなどで錆びにくくする加工が必要となります。
保管やお手入れも慎重に行いましょう。
真鍮(しんちゅう)
真鍮は、銅と亜鉛の合金で、加工しやすいため、楽器やカトラリー、アクセサリーなどに使用されています。
水分に弱く、触って手垢や汗などが付くだけでも変色や錆びが進行してしまいます。
アクセサリーに使用する場合は、真鍮をメッキ処理することで、錆びを防ぐことができますが、金属アレルギー反応を起こしやすい素材のため、真鍮のアクセサリーを付ける場合は、「直接肌に触れる場所に付けない」「身に着ける場合は小まめに外す」などの工夫がおすすめです。
コバルト
コバルトは、リチウムイオン電池などに使用される金属で、アクセサリーに単体で使用されることは滅多にありません。
湿気や酸性に弱く、錆びやすいだけでなく、金属アレルギー反応を発症しやすい素材でもあるため、コバルトを含む合金を使用しているアクセサリーを身に着ける場合は注意しましょう!
錆びたらもう手遅れ?お家で簡単にできる錆び取り方法
アクセサリーが錆びてしまった場合でも、軽い錆びであれば、家庭でかんたんに取ることができます。ここでは、家庭でかんたんにできる6種類の錆び取り方法を紹介します!
ただしアクセサリーの素材によって錆び取り方法が異なるため、注意して行ってくださいね。
【中性洗剤】つけ置きしてから洗う
ゴールドやメッキなどの傷つきやすい素材のアクセサリーは、中性洗剤で錆びを落とすのがおすすめです。皮脂や汗の汚れなどの汚れ落としにもおすすめの方法です。
- 食器用洗剤などの中性洗剤
- コップなどの容器
- ぬるま湯
- 子ども用などの柔らかい歯ブラシ
- 柔らかい布
【手順】
歯ブラシで強くこすり過ぎると、素材を傷つけてしまう可能性もあるため、優しくこするのがポイントです!
【お酢】沸騰したお湯につけ置きする
ステンレス製のアクセサリーなら、お酢を使ったお手入れがおすすめです。
ただし天然石を使用したアクセサリーの場合は、酸性に弱いため避けましょう。また、アンティーク風に加工されているアクセサリーの場合も、加工が剥がれてしまうため、避けたほうが無難です。
- 鍋
- お酢
- 水
- 中性洗剤
- 柔らかい布
【手順】
お酢の酸性が強いため、つけ置き時間が長すぎると素材を傷めてしまいます。
錆びが落ちたら鍋からすみやかに取り出してくださいね。
【歯磨き粉】柔らかいもので優しく磨く
歯磨き粉は、ステンレス製のアクセサリーの錆び取りに使用できます。ただしゴールドやメッキ加工をした柔らかな素材の場合はメッキが剥げてしまうため、避けてくださいね。
- 歯磨き粉(成分に塩が入っているものは避ける)
- 子ども用などの柔らかい歯ブラシ
- ティッシュ
- 水
- 柔らかい布
【手順】
歯磨き粉がアクセサリーを研磨するため、必ず優しく行ってください。
念のため、見えにくい場所で一度試してから行うと安心です◎
【塩】塩水のお湯に浸す
塩を使った錆び取りは、シルバーやステンレス製のアクセサリーにおすすめです。ただしメッキ加工がある場合は、剥げやすいため避けたほうが無難です。
- 塩
- 鍋
- アルミホイル
- 水
- 柔らかい布
【手順】
【重曹】お湯に混ぜてつけ置きする
重曹は弱アルカリ性のため、皮脂や化粧品などの酸性の汚れにも効果がありますよ。ステンレスやシルバー製アクセサリーの錆び取りにおすすめです。前述した、塩で錆びが落ちなかった場合などにも試してみてください。
- 重曹
- 深めの容器
- アルミホイル
- 熱湯
- 柔らかい布
【手順】
【専用クリーナー】液体タイプで洗浄する
デリケートなアクセサリーの場合は、アクセサリー専用のクリーナーを使用しましょう。
専用クリーナーを選ぶ場合、細部まで洗浄ができる液体タイプがおすすめです。
ここでは専用クリーナーの一般的な使用方法をご紹介しますが、正しい使用方法は商品によって異なります。
必ずクリーナーの取り扱い説明書をよく読み、説明書の手順に沿って洗浄を行ってください。
【手順】
大切なアクセサリーを錆びから守る3つのポイント
アクセサリーを長く愛用するためには、適切なお手入れと適切な使用方法が大切です。ここではアクセサリーを錆びさせないために大切なポイントをご紹介します。
ぜひ参考にして、大切なアクセサリーを長持ちさせてくださいね◎
ポイント1.着用後はやわらかい布で拭く
アクセサリーを外したあとは必ず拭いてお手入れをしましょう。一見、汚れていないように見えても、一日使用したアクセサリーには、汗や皮脂、ほこりなどが付着しています。
お手入れには柔らかい布や眼鏡用のクロスなどを使用して、アクセサリーを傷つけないように優しく拭き取ることがポイントです。
ポイント2.密閉できるところで保管する
アクセサリーを湿気や空気から守るためには、アクセサリーボックスなどの箱やジップ付きの袋に入れて密閉する収納がおすすめです。
ただし密閉した場合でも、湿度の高い洗面所などに放置すると、アクセサリーはあっという間に劣化してしまいます。
湿気が少なく直射日光の当たらない場所に保管をしてくださいね。
ポイント3.水に触れるような場所は避けて着用する
金属の素材にもよりますが、水分は、アクセサリーが錆びる一番の原因です。
手洗いや入浴、運動などをする場合はどうしても水に触れてしまうため、できるだけ小まめにアクセサリーを外すことが、長持ちに繋がります。
【アイテム別】錆びない素材に関するQ&A
ネックレス
- シルバー925のネックレスが黒くなった!これって錆び?
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シルバーのアクセサリーを使用しているとあらわれる黒ずみは、「硫化」によるもので、「錆び」とは全くの別物です!かんたんなお手入れで元の輝きを取り戻せますよ。
お手入れ方法には、シルバー磨き専用のクロスで拭く・シルバー専用のクリーナーで洗浄する・重曹で磨くなどの方法があります。
シルバーが黒ずむ前に軽く拭くだけでも効果的なので、定期的なお手入れがおすすめです。
- 変色しにくいネックレスの素材は?
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チタン製・ステンレス製のネックレスは変色しにくいと言えます。
一般的にはゴールドやプラチナも変色しないと言われていますが、それは純度100%のゴールドやプラチナの場合。アクセサリーとして使用するには柔らかすぎるため、流通しているアクセサリーのほとんどは純度100%ではありません。
そのため、ゴールドやプラチナのネックレスでも、使用後のお手入れや定期的なメンテナンスが必要です!
リング
- シルバーリングとステンレスリングどっちがおすすめ?
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シルバーは加工しやすい素材のため、細かい装飾も施しやすく、さまざまなデザインのリングが販売されています。ただし硫化して黒ずみやすいので、小まめなお手入れが必要になります。
ステンレスは素材が硬いために加工が難しく、リングのデザインはどうしてもシンプルになってしまいますが、つけ心地が非常に軽く、耐久性が高いためメンテナンスがかんたんというメリットがありますよ。
お好みで選んでくださいね♪
- 色落ちしにくいリングの素材は?
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プラチナ・チタン・ステンレスを素材に使用したリングは色落ちしにくいと言えます。ただしプラチナの場合は、定期的なメンテナンスが必要となります。
反対に、ピンクゴールドやホワイトゴールドのリングは変色しやすいため注意しましょう!
ピアス
- ファーストピアスにおすすめの素材は?
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ファーストピアスは、完成していないピアスホールに装着するため、血液や体液に直接触れるだけではなく、ピアスホールが完成するまで1ヶ月以上も付けたまま過ごすことになります。
そのため、ファーストピアスには、金属アレルギーを発症するリスクの少ない素材を選びましょう。
具体的には、チタン製やサージカルステンレス製のものを選ぶと安全です。ポスト部分だけではなく、ヘッドやキャッチの素材にも注意してくださいね。
- 樹脂ピアスにデメリットはあるの?
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樹脂ピアスのデメリットには、壊れやすいことや雑菌が繁殖しやすいこと、変色しやすいことがあげられます。
また、樹脂は柔らかいため、金属製のピアスよりもポストが太く作られていることが多く、ピアスホールを傷つけてしまう可能性もあります。
とはいえ、樹脂は安価で軽く、金属アレルギーの心配のない素材です。上手に付き合うことでメリットも多い素材のため、ピアス選びの参考にしてくださいね。
すべてのアクセサリー
- 錆びにくいゴールドの素材ってなに?
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ゴールドの素材であれば、金の純度の高い18Kや24Kが錆びにくいと言えます。
ただし、メッキとしてゴールドが使用されているアクセサリーの場合は、メッキが剥げると下地の種類によっては錆びてしまう可能性があるため注意しましょう。
見分け方としては、アクセサリーの「K18」刻印のうしろに「GP」または「GF」という刻印があれば、それはメッキとなります。
- 水に強い素材は?
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18K以上のゴールド・Pt900以上のプラチナ・チタン・ステンレス製のアクセサリーを選ぶと、水に強いため濡れても錆びにくく、アウトドアや汗をかきやすい夏場のアクセサリーにもおすすめです。
ただし濡れることが前提で身に着ける場合は、ゴールドやプラチナは、高価でお手入れも必要になるため、比較的安価なチタンやステンレスがおすすめです。